私たちスタイル

先日、お料理写真の出張撮影に伺った時のこと。
撮影しながら、
お料理写真は見た目重視で撮ろうとすると、時に実際には食べられないものになることがありますよね、
という話になった。

実際、シズル感を出すために本来は使わない食材や分量にすることや、
お料理の形を整えたり嵩増しをするために食べ物じゃないものを仕込んだりというのはよくある手法。

写真で魅せることが目的なのだから、それは致し方ない、という考え方もあるとは思います。
でも、料理人の方が心を込めて作ったお料理をおいしく食べられない状態にしてしまうのは抵抗があります。
食材にも申し訳ない。
だから私たちは、見た目の美味しさが完璧なイメージ通りにならないとしても、
食材や料理人の気持ちを無駄にしない程度の形で撮りたい。
そういうポリシーでお引き受けしてきました。
料理専門のカメラマンからしたら鼻で笑われてしまうかも知れないですけどね。

そんな会話をしていたら、料理人さんがひとこと、
「見た目が大切なのはわかるが、食べられない形になるのは俺は好かん」
と。
盛り付けをしてくださっていた奥様も、それを聞いてニコリ。

その料理人さんはメディアなどにも何度も登場している方。
そんな人の言葉に、私たちも、私たちのやり方を肯定していただけた気がして嬉しくなりました。

品数もアングルも多めで長時間の撮影となりましたが、充実感いっぱいの帰途となりました。

wrote by はるか